夫と妻の心理

いわゆるレディー・ファーストが、アメリカの夫姉のあいだの風習となっているのも、一般社会における男性の優越感から生じたものが、夫婦関係にとりいれられた結果であるといえましょう。
さいきん、アメリカで、このレディー・ファーストの風習が少しずつ失われはじめた、といわれるのも、女性の職場進出の増大による経済的地位の向上が、男性の優越感を減少させた結果であるとみることができるでしょう。
妻にしっとの感情があるように、夫にもしっとの感情があることはいうまでもありません。
ただ、妻のしっとが、保身にもとづく独占欲からでるものであるのに対して、夫のそれが、この優越感から由来する独占欲が腺因である、という点にちがいがあるといえましょう。
経済的能力のある夫が、保身について考えるはずがないことはもちろんで、夫はむしろ、その支配下にある妻を独占したいという欲望によって、しっとするのです。いいかえれば、支配権を無視されることに対する怒りの感情が、夫のしっとだということです。
以上にみてきたような夫の心理は、どの夫の心にも、いろいろな強さと組合わせでひそんでいるものとおもわなければなりません。そして、劣等感や優越感をともなう心理が、男女平等を原則とする現代において、けっして夫にも妻にも真の幸福をもたらさないものであることが明らかである以上、それらをどうしたらとりのぞけるかを考えることが、必要となってきます。
もちろん、現代の結婚が、本質的に矛盾をはらんだものであり、その意味で問題の根本的な解決は不可能である、といえるかもしれません。しかし、結婚をよりよいものにするための方法はあるのです。それが、妻の心理について述べたときに示唆した方法と同じものであることは、賢明な読者のすでに気づいているところにちがいありません。
素敵なパートナーに、出会っても幸せに付き合うには努力が必要です。
妻も経済的能力をもつようになることは、夫も妻もともに経済的責任を分けあうことでもあり、いずれが優位に立つということもなく、お互いに平等な立場で結婚生活をきずくことを可能にする唯一の方法であるといえます。いわゆる共かせぎ結婚に、少なくともここにあげたような夫の心理や妻の心理が、存在しえないであろうことは明らかだといえましょう。

参考:

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